iNARTE資格者（iNARTE EMC Engineer/Technician, EMC Design Engineer）である弊社エンジニアがEMCの測定や対策技術などについて、社内設備等を用いた検証や実際に行った試験・調査から得た経験をもとに、独自の視点でデータを抽出し解説しています。 EMCに関わる多くの技術者向けに作成した記事となりますので、基板設計やEMC対策の参考にご覧下さい。

記事は一ヶ月に1～2本のペースで不定期に掲載をしていく予定です。

• 2023/02/14 計測編

  EMIの周波数特性と波源解析

  EMCの対策を行う方法には様々なものがあります。EMI試験においてPassを目指す場合には、その一つとして回路レベルで対策をする方法があります。この場合、波源となる回路を特定し、部品の追加やシールドなどの適切な対策が必要となります。本ノートでは、問題となる回路や動作を推定する方法について、一般的なディジタル回路やスイッチング電源回路を例として取り上げて紹介いたします。
• 2022/11/09 対策編

  電磁シールド – ③

  電磁シールド - ②の続きです。第3回は「放熱のための開口部」についての解説です。
  金属筐体の一部に放熱の目的で小さい孔を多数配列した通気性のある構造が適用されているケースでは、シールド効果と放熱性能の双方を考慮した設計が必要です。では、孔のサイズや形状がシールド効果や放熱性能にどのように影響し、またそれぞれがどれほど効果的なのか？図を用いて解説していきます。
  
• 2022/10/17 対策編

  電磁シールド – ②

  電磁シールド - ①の続きです。第2回は「筐体の接合部」についての解説です。
  筐体を構成する金属板同士の接触抵抗が小さくなるほど電磁波の漏洩は少なくなる一方で、インバータ電源のような主要コンポーネントとしてコイルを有する回路は、強い磁界を発生させるためコイルが接合部に近いほど電磁波の漏洩が多くなります。このような条件下でのEMC対策について解説していきます。
• 2022/08/09 対策編

  電磁シールド – ①

  今回の電磁シールド編は、①金属材料のシールド効果、②筐体接合部、③放熱のための開口部、の全3回で構成されています。第1回は「金属材料のシールド効果」についてです。
  電子機器の放射妨害波低減対策として電磁シールドは大変に有効な手段です。主に鉄やアルミなどの金属によって機器の筐体を構成することによりノイズの漏洩や抑制をすることができます。そのメカニズムについて解説していきます。
• 2022/07/22 計測編

  放射妨害波測定における「3m距離」と「10m距離」の相関

  マルチメディア機器のEMIを規定したCISPR 32などでは30~1000MHzにおける放射妨害波は供試機器(EUT)から10m離れた距離にあるアンテナで測定することが規定されています。しかしスペースやコスト面から「3m法電波暗室」や「小型電波暗室」でEMI 対策を行うケースがあります。その場合は、妨害波レベルを10m距離のレベルに換算する必要があります。その変換方法について解説します。