iNARTE資格者（iNARTE EMC Engineer/Technician, EMC Design Engineer）である弊社エンジニアがEMCの測定や対策技術などについて、社内設備等を用いた検証や実際に行った試験・調査から得た経験をもとに、独自の視点でデータを抽出し解説しています。 EMCに関わる多くの技術者向けに作成した記事となりますので、基板設計やEMC対策の参考にご覧下さい。

記事は一ヶ月に1～2本のペースで不定期に掲載をしていく予定です。

• 2023/12/26 計測編

  リバブレーションチャンバー、その特性とは？

  最近EMC業界でもよく耳にするようになった、リバブレーションチャンバー（Reverberation Chamber: RC）。これはスターラーと呼ばれる金属板で構成された電波散乱体を回転させる機構を備えたシールドルームです。この独特な機構を持つ試験室では、「放射イミュニティ試験」と「放射エミッション試験」を行うことができます。ALSE（電波暗室）で行う試験とは何が異なるのか、図表や動画を用いて解説していきます。
• 2023/10/06 設計編

  プリント回路基板におけるコモンモード放射 – ②

  ～　EMI放射特性の基板レイアウト依存性　～
  プリント回路基板におけるコモンモード放射 - ①では、基板（グラウンドプレーン）の幅が有限の場合に、コモンモード電流が発生するメカニズムを紹介しました。では、グラウンドプレーンの幅が狭い基板や、グラウンドプレーンの端部近くに信号配線がレイアウトされた基板ではどのような影響が出るのでしょうか？グラフと図を用いて検証していきます。
• 2023/08/11 設計編

  プリント回路基板におけるコモンモード放射 – ①

  ～　基板のグラウンドがアンテナとして作用する？　～
  EMC関連の教科書や文献を見ていると「コモンモード放射」というキーワードをよく目にします。基板上のディジタル回路の設計における基本的な方法や、コモンモード電流が基板に発生するメカニズムの説明を交えて、今回は2回にわたり、このコモンモード電流の考え方とコモンモード電流に起因して発生するEMIの特徴を紹介していきます。
• 2023/05/30 設計編

  ﾃﾞｨｼﾞﾀﾙ／ｱﾅﾛｸﾞ回路混載プリント回路基板のグラウンド設計

  ディジタル回路とアナログ回路が混載されたプリント回路基板（PCB）をレイアウトする際のガイドラインとして、それぞれの回路のグラウンドの分離を推奨されることがありますが、一方でグラウンドを分離したことに対する弊害も報告されています。今回はグラウンドの役割を説明した上で、なぜ分離が推奨されるのか、そしてグラウンドを分離した方が良いのか、メリットとデメリットについて解説していきます。
• 2023/02/14 計測編

  EMIの周波数特性と波源解析

  EMCの対策を行う方法には様々なものがあります。EMI試験においてPassを目指す場合には、その一つとして回路レベルで対策をする方法があります。この場合、波源となる回路を特定し、部品の追加やシールドなどの適切な対策が必要となります。本ノートでは、問題となる回路や動作を推定する方法について、一般的なディジタル回路やスイッチング電源回路を例として取り上げて紹介いたします。